スポーツ障害・怪我の原因
スポーツ障害は医学的には「使いすぎ症候群(オーバーユース)」と言われ、身体を酷使することで発生する疾患であると言えます。運動に伴う筋肉の伸縮とねじれ、骨での衝撃吸収などでスポーツは肉体に与える負荷が大きいといえます。それに加えて試合までの間、練習を積み重ねていく為身体に掛かる負担は相当に大きなものになって行きます。特に成長期のスポーツ障害の発生は使いすぎばかりではなく骨の成長にも関連があります。柔らかい骨に腱の付着部があり、そこに牽引力が加わると骨に変化が起きます。スポーツへの取り組みの熱心さが、逆にスポーツ障害を起こす原因となっているのです。 これらスポーツ障害を発症した場合の有効な治療法として、幅広く鍼灸治療が取り入れられています。
スポーツ障害の症状
■ 筋肉痛 筋肉痛は、筋肉の働きと伸縮を原因として発生します。筋肉は本来、収縮することで力を発揮し働く性質を持っています。この収縮によって力を発揮する筋肉の働きを「コンセントリック収縮」と言います。逆に筋肉が伸張しながら力を発揮する働きを「エキセントリック収縮」と言います。筋肉痛は本来の働きではないエキセントリック収縮が原因となって起こっているものなのです。エキセントリック収縮は、筋繊維が伸びきった状態で力を出そうとするので、筋繊維が小さな断裂を起こしやすくなります。この筋繊維の断裂が筋肉痛の痛みを起こす元となるのです。筋肉痛の痛みは、筋肉の炎症が原因の一つとなっています。一般的な治療法としてこの炎症をアイシングなどで冷やして鎮めた後で、マッサージや入浴で温め血行を良くして治りを早めるのが筋肉痛の治療の基本と言えます。更に短時間で積極的に治療を進める場合、鍼灸治療は血行を促進させる有効な手段となります。
■ 肉離れ 肉離れが起こる原因は、脚の筋力にあると言えます。肉離れが起こる太腿の筋肉であるハムストリングやふくらはぎの腓腹筋は、身体の全重量を支えるため強い筋力を持っています。肉離れは、これらの強い筋力を持つ脚の筋肉が収縮している際に自分が出した筋力に耐え切れず部分断裂を起こすことで発生します。また、肉離れは、筋肉に関係するスポーツ障害の中でも長引きやすい性質を持っており、主な症状としては、関節の曲げ伸ばしに伴う痛みが挙げられます。この場合、症状が現れている時には運動は厳禁で、肉離れを起こしている筋肉は、炎症によって腫れることがあります。 肉離れの症状は軽ければ問題ないこともありますが、症状が重くなると歩行はおろか、全く行動できないほどの強い痛みに襲われて、その場にうずくまってしまうこともあります。 肉離れが起こったら早急な対処をすることが基本で、その対処は、安静・冷却・圧迫・挙上で、「横になって安静」「患部の冷却」「患部の圧迫」「患部を心臓より上に挙げる」という応急処置の鉄則を表しています。肉離れが発生してから48時間は、これを継続し痛みが引いてきたら温熱療法などで回復を促していきます。場合によっては抗炎症剤を使って痛みを抑えたり、電気刺激を与えたりと言った治療法が行なわれますが、これらの治療に変わる有効な治療法として鍼灸治療が取入れられています。
■ こむら返り こむら返りは、筋肉が激しい痙攣を起こして緊張状態になってしまうことが原因として起こるものです。この筋肉の痙攣は、強い疲労状態にある時や汗で体内の水分やミネラルが失われている時に起こりやすくなります。これらの原因によってふくらはぎの筋肉が限界以上に収縮された結果、筋肉が痙攣してこむら返りが発生します。こむら返りが起こると、足の筋肉は強い痙攣を起こし強い痛みを引き起こし、足の筋肉は収縮した状態で歩くことも立っていることもままならない状態になります。こむら返りの痛みは非常に強く、多量の発汗やめまいを伴うこともしばしばです。また、こむら返りは片足だけでなく両足同時に起こることがあり、痛みが二倍になってしまうので注意が必要といえます。 こむら返りを予防するためには、運動後の水分とミネラルの補給が重要になってきます。運動中は汗で水分と電解質が失われるため、疲労回復のためにも休憩中の水分と塩分の補給が重要になります。運動前のクエン酸摂取や、食事やサプリメントでカルシウムやマグネシウムを補充することもこむら返りの予防に効果があります。また、運動後に足のストレッチ体操やマッサージを行って血流を改善することも、こむら返りの予防に重要な役割を果たします。最近、競技スポーツの現場では、準備運動の中に鍼灸治療を取入れ、事前に血行を促進して競技に挑むケースも出始めています。
■ 捻挫・骨折・脱臼・突き指・じん帯損傷・アキレス腱断裂・半月板損傷・椎間板ヘルニアなど その他、スポーツ障害には、捻挫・骨折をはじめ、脱臼・突き指・じん帯損傷・アキレス腱断裂・半月板損傷・椎間板ヘルニアなど様々な怪我の症状がありますが、いずれの場合も痛みの緩和と血行促進による早期治療に鍼灸治療が有効であると考えられ、積極的にこれらの治療をプロスポーツの現場で取り入れ始めています。
スポーツ障害・怪我の治療に対する鍼灸治療の効果
症状の改善が最も期待できる治療法 鍼灸治療は鍼を使って人体のツボを刺激する事で筋肉の緊張状態を解す効果があります。ツボを刺激された人の体は自律神経を通して刺激が脳に伝わり、脳からエンドルフィンという鎮痛物質を体内に分泌して痛みが緩和されます。薬物を使用せず効果的な治療が出来る事が世界中のプロスポーツの現場で認められ、ドービングの心配もない事から、スポーツでの鍼灸治療が急速に広まっています。鍼灸治療は、これらの相乗効果により短時間の内に痛みを緩和させると同時に、体の自然治癒力を高める効果で、慢性的な筋肉疲労に伴う痛みを効果的に治療し、症状の改善が最も期待できる治療法として最先端のプロスポーツの現場で取り入れられています。
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