むち打ちとは、交通事故などの衝撃で頭部が激しく動き、頚部などに障害が発生することをいいます。首や腰の筋肉・靭帯の炎症にとどまるものから、交感神経や神経根に障害が及ぶもの、脊椎本体に障害が及ぶものまで、様々な症状があります。
むち打ち症の大きな特徴は、受傷直後には往々にして自覚症状はなく、あるいは現れても 軽い痛みだけという点です。たいていは受傷の1~2日後から症状が現れ、また最も強くなることが ほとんどです。受傷から1週間たってから発症するケースもあります。 多くみられるのは頸部局所症状で、首の後ろの部分の痛みやこり、緊張感などです。 このほか、首の熱感やこわばり、背中の痛み、肩の痛み、頭痛や頭重、胸の痛みやしびれ、だるさなどが 現れることもあります。また、意識障害、目のかすみ、めまい、耳鳴り、難聴、嚥下痛、腰痛、 下肢痛などがみられる場合もあり、いくつかの症状が重なるケースも多いようです。 現れた症状によって、次のような4タイプに分類されます。
●頚椎捻挫型●
頚椎が衝撃を受けた際に椎骨に外力が加わり、靭帯が引き伸ばされたり、傷ついて捻挫を起こした 状態になります。4タイプのなかで最も多くみられ、むち打ち症全体の70~80%を 占めているとされています。
首の後ろや肩の痛みは、首を伸ばすと強くなります。また、首や肩の動きが制限されることもあります。
●根症状型●
頚椎に変形があったり、頚椎の椎間孔が狭くなったために、脊髄から枝分かれした神経が圧迫されて 症状を招きます。首の痛みのほか、腕の痛みやしびれ、だるさ、後頭部の痛み、顔面痛などが 現れます。
これらの症状は、咳やくしゃみをしたり、首を横に曲げたり、回したり、首や肩を一定方向に 引っ張ったりしたときに強まります。
●バレ・リュウー症状型● 後部交感神経症候群ともいいます。血行をつかさどる交感神経が損傷したり、椎間板や筋肉による 圧迫を受けて、頚椎に沿って走っている椎骨動脈の血流が低下し、症状が現れると考えられています。
後頭部や首の後ろの痛みをはじめ、めまい、耳鳴り、難聴、目のかすみ、眼精疲労などが 起こることもあります。また、それほど多くありませんが、顔面やのどのあたりの違和感、腕のしびれと いった知覚異常や声のかすれ、嚥下困難、胸部の圧迫感などがみられる場合もあるようです。
根症状型とバレ・リュウー症状型の混合型もあります。
●脊髄症状型●
頚椎の脊柱管を通る脊髄が傷ついたり、圧迫を受けた場合にみられます。下肢に伸びている神経が 損傷されて、下肢のしびれや知覚異常が起こり、歩行障害が現れるようになります。
また、膀胱直腸障害が生じて、尿や便が出にくくなるケースもあります。
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