東京都中野区 東京メトロ丸の内線「新中野駅」徒歩2分。鍼灸・接骨・各種電気治療・交通事故・労災指定院

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國安鍼灸整骨院

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概要
東京都中野区中央3-36-12
TEL.:03-3383-7831
外観
地図
東京メトロ丸の内線 新中野駅
鍋屋横丁方面出口より徒歩2分

鍋屋横丁交差点を公開堂下に向かい
信号一つ目の道沿い右にあります。
鍋横交差点のエトー文具は一本堂に変わりました。
診療時間
診療時間
平日 午前8:30~12:30
午後3:00~ 7:30
土曜 午前中のみ
   8:30~12:30
休診 土曜午後・日曜・祝日
適応症状
骨折・脱臼・関節痛・肉離れ・スポーツ障害。
外傷によるケガ等。
当院はこのような症状でお悩みの方に
おすすめの鍼灸整骨院です。
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健康知識
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健康知識

公開講座 お腹の調子は健康のみなもと -はり・きゅうで胃腸も元気ー

明治国際医療大学鍼灸学部 教授 矢野忠   2011・12・11
 「元気のみなもとは、お腹から」「健康のみなもとは、お腹から」などと言われています。“元気”という言葉は、普通よく使われる用語ですが、本来的には、東洋医学で用いられる学術用語です。元気の源は、東洋医学でいう「気」と「血」です。「元気がいいね」は気や血が充たされ、円滑にめぐっている状態であり、「元気がないね」は気や血が不足して、巡りが悪い状態です。
“流水は腐らず”の譬えのごとく、帰結が充実し、スムーズに体内を巡っている状態が、心身を健やかにしてくれます。「気」には、親からもらいうけた「先天の元気」と飲食物から摂る「後天の元気」とがあります。「血」は飲食物から造られます。すなわち、飲食物は気血の材料であり、その材料から効率よく気血を試算するのが“お腹”です。
従って、お腹の調子により、元気、健康が左右されることになります。
健康のバロメーターとして「快眠」「快食」「快便」が揚げられますが、健康とお腹の調子とは深い関係にあります。
本講座では、お腹の調子の善し悪しを現す「便通」を取り上げます。便通の異常には①便秘、②下痢、③交代性便通異常があります。糞便の水分量によって便秘と下痢を分けます。最近増えている便通異常が、③の交代性便通異常です。病名は過敏性大腸症候群といいます。
日頃から便秘に悩んでいる方、家庭でのツボによるセルフケアで、お腹の調子を整えてみませんか。きっとお腹から元気が湧くことを実感できることと思います。

子どもへの鍼治療、安全性に「問題なし」 カナダ研究

2011年11月24日 発信地:カナダ
【11月24日 Relaxnews】子どもに対する鍼(はり)治療の安全性について、「問題ない」との研究結果が今週の米小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」に発表された。
 
 カナダ・アルバータ大学(University of Alberta)の研究チームは、国際的研究37件のデータを分析。その結果、鍼治療を受けた10代の子ども1422人のうち168人に、あざなどの軽い副作用が見られた一方、感染症や神経損傷といった深刻な副作用はほとんどなかったことが分かった。なお、この研究は安全性についてのみ調査したもので、治療効果については調べていない。
 
 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、鍼治療に関する従来の研究は主に成人を対象としており、深刻な副作用は100万件に5件程度だという。同紙はまた、米ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)が行った、片頭痛や子宮内膜症の子ども50人を対象とした鍼治療効果に関する研究に触れ、初めは不安を感じていた家族も、最終的に鍼治療を「快適で有益」だと判断したと伝えている。
 
 代替医療として一般的な鍼治療は、体の痛みや片頭痛を患う子ども向けの治療法として人気が高まっている。(c)Relaxnews/AFPBB News

反復生殖補助医療不成功女性の問題


臨床婦人科産科 2011 vol.65 no.6 より抜粋
「生殖補助医療(体外受精など)の臨床で,不成功を繰り返す例は希ではない.その原因として①胚(受精卵)の不良②子宮の着床・妊娠維持機能の不良が考えられる.実際には両原因がさまざまな比率で混在するであろうが,①のほうがより高頻度と考えられる.
 卵胞発育不良に対する対処法を要約すると,まず患者を健康で幸福な状態にし,そのうえで患者各個に応じた適切な卵巣刺激法を選択施行することである.実に多くの患者も医者も,健康で幸せなカップルが,セックスをいっぱいして子供ができる.という自然の摂理を無視している.不健康なブロイラーの卵は臭いが,健康な滋養鳥の卵はおいしいのである.よい卵子・精子をつくるには,ます患者を健康で幸せにしなければならない.科学的にいうと,加齢,ストレス,不安,運動不足,睡眠不足,肥満,飲酒,喫煙は,インスリンの感受性を低下する.このことが遺伝的素因と合わさって,インスリン抵抗性症候群(メタポリック症候群)が引き起こされる.インスリン抵抗性症候群は,糖尿病,高血圧,脂肪肝,高脂血症,痛風,動脈硬化,心筋梗塞,脳卒中,癌などを包含する.男性不妊の多くもインスリン抵抗性症候群であるつまり不妊の大多数を占める配偶子形成障害は,ほとんどが生活習慣病なのである.そこで,①歩行,②体重の適正化,⑨良い睡眠,④悩まぬこと(楽しく過ごすこと),⑤減酒,⑥禁煙,⑦まともな食事を規則的にとること,以上7項目をしっかり実行していく.これらの生活習慣の是正により心身ともに健やかとなり,良い卵と精子へとつながるのである.

以上のことが、最近の新しい研究から論じられています。
 鍼灸治療では、心身共に健康な良い状態を作る治療を行います。
 子宮の環境作を良くする、子宮の血流増加、卵巣の機能を高める、卵が着床しやすい子宮の内膜の状態を良くする、卵の成長を良くするなどに効果的に鍼灸治療が働くようにします。しかし、からだを良い状態にするには、かなりの時間が必要となります。個人差はありますが、不妊治療を続けて良いからだをつくるには6ヶ月~1年ぐらい必要です。
また、当院では治療効果を得るためには鍼灸治療の回数も必要だと考えております。
 

Reutersが、電気鍼治療により体外受精での出産率が向上するとした研究

医道の日本 第818号より
ロイターは9月27日付の記事で、体外受精(IVF)による不妊治療に電気鍼治療を用いることで出産確率が上昇するとした臨床研究結果を伝えました。
 
記事が取り上げたのは、医学誌『Fertility and Sterility』最新号に掲載された研究です。
 
記事によると、研究では北京大学の研究チームが309人のIVF治療患者を無作為に3群に分け、第1の群に対しては受精卵を子宮に戻した30分後に電気鍼治療を、第2の群には第1の群の治療に加えて受精卵を子宮に戻す前日に電気鍼治療を、第3の群には受精卵を子宮に戻した30分後に偽電気鍼治療を、それぞれ行ってその出産率を比較しました。
その結果、出産率は、鍼治療群で37%、偽鍼治療群では21%となり、両者に有意差が見られたという結論になったと紹介しています。(メディアによる記事)
 

腰痛と予防体操

 國安鍼灸整骨院
 日頃、私たちは座って過ごす時間の方が多いように感じます。
そのため、腰の筋肉が低下したり、血行不良などを起こし腰痛になりやすい環境にいるのです。

腰痛の軽減や予防には、無理のない体操が効果的であると言われています。
体操を行なうことで腰の筋肉が鍛えられますし、更には血行も良くなりますので、痛みの軽減や予防ができるわけなのです。

腰痛予防体操を行なうとき。手順としては、まずはじめに準備体操(ストレッチ)を行います。
無理をしてしまうと腰痛をさらに悪化させてしまうこともありますので、まずは体を慣らすためにゆっくりとストレッチから入るようにしましょう。
ストレッチは一般的なもので構いません。
腰以外の部分にも無理が生じないよう、手・首・足・肩回しなど身体全体を万遍なく動かすようにしましょう。
より良いのは、お風呂上りなど体が温まっいるときに行なうことです。

ストレッチを終えましたら、いよいよ腰痛予防体操です。
この体操には様々な種類があります。
自分に合った体操を選択し、無理のない範囲で行なうのがよいでしょう。
例を挙げると、椅子に座り腰と背骨を伸ばす。
仰向けに寝転んだ状態で腰をひねる。
立ち上がった状態で腰を反らす、体を前に倒す。など腰を意識して無理のない範囲で行なってください。

前後、左右が一セットになっている体操は、同じ回数だけ行なうようにしてください。
やる回数がバラバラですと体のバランスを崩すことにもなりますので。
その他、ラジオ体操の要領で、時間をかけてゆっくりと行うようにして下さい。

また、腹筋を鍛えることも腰痛予防に繋がるのですが、無理な腹筋は腰痛を悪化させる場合もありますので注意して行なうようにしてください。

他には、ジムボール・ストレッチボールなど道具を利用した腰痛予防体操や最近話題の腰回し・ヨガ・ピラティス・水中ウォーキングなども腰痛予防に効果的だと言われています。
また、定期的に鍼灸院を来院して、予防的に「鍼灸治療を受けることもお勧めいたします。

鍼灸と意識(その14)《特別テーマ》現代における健康問題について④

東京九鍼研究会 石原克己
 病からの気づき
 臨床やワーク等…、病む人と出会っている中で気づいたことを五つの視点から簡単に述べていきます。


①初期警告としての病
 例えば、前夜の暴飲暴食による脾胃・肝臓等の疲れに、自己治癒力が発動されますと、胃重・食欲なし…が生じます。この時、1~2食抜き、胃を休め、自己治癒力発動現象に身を委ねることで、脾胃肝は快復してきますが、食べないことへの恐れを持っている人や無知な人は、胃薬を服用したり、鍼灸治療したり…、どうしても食べようとしますので、その場の解決を急ぐため後々回復が長引いたり、数年後重い病になったりします。つまり、この時の症状は、生活上の警告となっているのです。

 発熱なども、生活の中で骨格の歪み、筋肉系の緊張、血液の汚れ、リンパの汚れ…それらが発生してきますと、ここに自己治癒力の発動が起こり、まず、風邪による発熱と共に緊張した筋肉系に辛さが生じます。この症状は、治癒力により健康的状態に移行するプロセスとして生じてきます。ですから、発熱を即解熱剤で下げたりすることは、心身の浄化のプロセスを奪ってしまうことになります。

 以上、二例挙げましたが、日常見られる多くの軽い症状(嘔吐、下痢、痛み)も自己治癒力と症状の関係をよく理解して取り組む必要があります。


②ライフスタイルの変換としての病
 更年期障害・慢性病等の人に多見します。治療で良きプロセスを歩んでも、ライフスタイルの変換なしに次のステージに上れないことが多くあります。この場合は、ライフスタイルの変換に目覚めるまで、治療家と患者の出会いは続くことになります。従いまして、可能なところからライフスタイル(衣・食・住・心の持ち方・睡眠時間・運動・呼吸法…)の中で継続できることから一つでも変えていくアドバイスが必要となります。

 結果的には、ライフスタイルを変えることで、健全な、自立した日々を送っていけることになります。

 私が臨床の中で出会った人達の中で、病をきっかけに合気道やヨガの指導につながった方、自立から宇宙意識と一体化という自律した方もいます。


③関係性の回復としての病
 例えば、子供の病に出会っていると、両親のあり方、子供への理解に問題がある場合が多いようです。親がそのことに気づき、親子関係が修復することで、子供は病から解放されてきます。むしろ、病で両親に訴える必要がなくなったということが真実のところです。また、企業の上司と部下の関係も、従業員が次から次へと病に陥り、その企業の上司が、病の発生する原因が自分と部下の関係性、企業のシステムにあることに気づき、関係性やシステムを転換すること(部下が生き生きと仕事をできる場)で、良好な人間関係ができますと、企業内に病が不要となる…といったことです。もちろん、最も重要なことは、地球と人類の関係性となります。この地球と人類の関係性においては、人類の意識の向上なくしては困難です。

 今まで、人類のエゴを軸に動いてきました。この延長上は、人類滅亡しかありません。ここで、急転直下、つまり人類がエゴから脱却して、真我・神我・内なる神仏・ハイヤーセルフ…で生きていくことになります。人類の意識が乱れていると、この意識の乱れは地球上の気象異常・天変地異・犯罪・事件につながって来ることを、そろそろ気づく必要があります。

 もちろん、大宇宙と、小宇宙である人類のフラクタルな関係もありますので、太陽フレアなどに少し異常が起きますと、地球の異常、人類の意識の異常につながってしまうことも多々あります。


④自己への気づき、魂の成長の場としての病
 身体と心は、一枚のコインの表裏の関係になっています。魂の輝きをそのコインの輝きと考えますと、心と身体と魂の関係が理解できます。多くの身体の病も、心の病も、自己への気づき、魂の成長につながってきます。そのためには、病に意識を合わせ、自らの身体・真我は、どんなメッセージを送っているのかにフォーカスしていくことで、多くの重要なメッセージに気づかれることと思います(この具体的なことは、次回触れていきます)。


⑤真我・霊的真理への目覚めとしての病
 癌をはじめとした生死に関わる病・難病・幼少時の重いトラウマからの解放に目覚めた人達は、真我や霊的真理に目覚めやすいです。特に、癌を始めとした重い病では、命の根幹に関わること、つまり“自分は多くの人達、家族に生かされてきた!!”“地球も家族も愛そのものだった!!”“癌も私だった。ありがとう!!”…といった気づきと共にハートの奥からの感動で号泣が伴う方々がほとんどです。この時、患者の最大限の自己治癒力が発動され、癌が消滅する人、癌があっても日常生活に支障がなくなる人、日々明るく感謝の時を送って行かれる人、一部には、安心して他界される人…が見られます。

 また、トラウマに関しても、命の拒絶、兄弟の差別による見捨てられるような重いトラウマも、“自分の両親も小さい頃同じトラウマを持っていたため、愛を与えられなかった!!”“自分のカルマの浄化のため、自らの魂が命を拒絶するような、心を見捨てるような親を選択し、この地球上に生れてきた!!”…と気づいた時、号泣と共に、“よくここまで徹底的に命を拒絶してくれて、ありがとう”といった場が生まれます。本当に宇宙の真理への目覚めとなります。
11.病の意味
 これは、病からの気づきとも関係が深いのですが、病に焦点を当てたとき、症状で表現する真我(自己の本質)からの声になります。まず、魂につけてきた鎧の解放では、魂の言語表現としての感情エネルギーの重要性が考えられます。特に、カルマ・トラウマ等に隠された感情エネルギーの意味に気づき、解放されることでほとんど病は消失することになっています。一部の人は、病の体験で魂の浄化としての清算を体験する人もいます。人生の歩み方も、感情エネルギーが握っています。さらに私達医療関係者は、多くの病める人達、医療に関心ある人達と出会い・治し・癒し・魂の成長に関わっているわけですが、実は病める人達への治療・癒し・成長に関わることで、医療関係者自らが、癒され、魂の成長につながっていることが真実のところです。そして、病む人・医療者を始めとした多くの人々の癒しや成長は、医療史の成長のプロセス(脱医療)につながっていきます。

 

Worldwide 鍼灸世界の鍼灸トピックス

資料提供: 月刊『医道の日本』掲載「世界メディアが伝え
る鍼灸最新動向」(中田健吾、藤田康隆)より
“膝と腰の関節炎による痛みや運動制限に対して鍼治療が効果があるかどうか、ドイツの研究「鍼治療による関節炎の痛みと運動制限に対しての効果の科学的検証」論文が発表されました”
(タイムス紙)

“鍼治療、運動療法、リラックス法による片頭痛の治療効果を検証した研究がスウェーデンの研究グループによって発表されました。その結果、痛み止めの薬を用いることなく、それぞれの方法を活用することで、片頭痛の症状が改善されたということです”
(ロイター、CNN )

“人気ドラマ「Sex and the City」の主演、クリスティン・デービスさんが、鍼治療を日常的に取り入れることで、多忙なスケジュールにも関わらず、体調を維持している。超多忙スケジュールのために健康に不安を覚えた彼女は、「健康維持のために鍼を取り入れたのですが、鍼はもはや私の生活の一部です」という。
”(タイムス紙)
“プロゴルファーのミッシェル・ウイーが、持病の手首の痛みをコントロールするために、鍼治療を取り入れている”
( ボストン・グローブ紙、ガーディアン紙、NBC スポーツ)

“癌と闘うロックバンドのギタリストは、治療に鍼を取り入れて、癌と闘っている”
(ブルームバーグ)

“ペットを対象とした鍼治療が広まっている”
(ワシントン・ポスト紙、FOX ニュース)

“北アイルランドでは、鍼治療、ホメオパシー、マッサージ治療など代替医療を健康保険の適用に”(BBC)

足関節捻挫の治療

ディカルうちだ院長 内田輝和 
 2011年9月7日号 No.247 抗重力療法 13
スポーツ障害では足関節の内反捻挫が起こりやすい
スポーツ障害による捻挫で一番多いのが足関節捻挫である。腓骨と脛骨は強靭な脛腓靭帯結節で連結しており、日常生活動作だけでは捻挫は起こりにくいが、バレーボールなどの跳躍や走りからの転倒などによって足関節が過度に内反する動きが伴った場合、内反捻挫が起こりやすくなる。関節は適度な遊びがあるため、無理に生じた外力で関節包や靭帯の軟部組織が損傷するのである。ここでは外反捻挫については省略し、スポーツ障害でよく見られる足関節の内反捻挫の治療に絞って述べる。

足関節捻挫のチェック

①術者の母指、示指を使って左右の足関節の周囲差を把握する。把握することによって関節の開離具合を見ていく。左右の足関節を比較することで過去に捻挫をしたことがあるかの状態がみえてくる。腓骨・脛骨がきちっと正しい位置で絞まっていないと足関節の絞まり具合が良くないといえる。


②足首を内反させて外踝周辺の窪みの左右差を比べてみる。。捻挫が起こっている場合は凹みの段差がなく、足首を回してみると可動性が少ないのがわかる。


③腹臥位になってベッドと足関節の指床間距離及び弾力性を見る。弾力性を見る。見る方法は踵を把握し、床に向かって軽く押圧してみる。弾力性がない状態は抵抗感がある。抵抗感がなくなるほど回復の過程の目安とする。  ④背臥位で自然に足を伸ばした状態を観察すると弱い状態の足の方が外側に傾きやすい。これは膝や腰にも負担がかかっていることを現している。

足関節捻挫の治療

①捻挫を起こすと脛骨・腓骨の位置が微妙にずれるため、腓骨筋にストレスがかかる。この筋の過緊張を緩めることが必要となる。脛骨・腓骨の位置を正すため腓骨筋を起始部から懸鐘穴に向けてほぐしていく(図5)。


②次に足関節を正しい状態へと調整していく。懸鐘穴と足首を片手ずつそれぞれ把握した状態で持って懸鐘穴を外側にひねり、足関節を内側にひねっていく。同時に逆ひねりをした状態で10秒間固定する(図6)。


③次にそれぞれの親指を太衝穴と足臨泣穴にあてがい、把握し足首を立てるようにしながらツボを足関節の方向へ押圧していく(図7)。その時に両母指を少しずつ前方へ動かしていく。


④片手で踵を支えて手前に引きよせながらアキレス腱を伸ばす、もう片方の手で足の甲を握って足関節を立てるように足の甲を膝蓋骨方向に向け10秒間固定する(図8)。


⑤次いで腹臥位を取らせ、伸縮の動きが充分でないアキレス腱に弾力をつけていく目的でアキレス腱の両側から両母指で少し圧をかけながら痛くない程度にアキレス腱を下方に引きよせることで弾力をつけていく(図9)。


⑥次に腫れていた外顆部の腫れを吸収さす目的で、背臥位になり懸鐘穴と窪みの外顆部分を持って懸鐘穴を外側にひねり、同時に窪みの部分を内側にひねり10秒固定する(図10)。これを2~3回繰り返す。


⑦以上全ての動作を3回繰り返し施術を終了する。
 

災害時に鍼灸は何ができるのか

「災害と鍼灸」シンポジウム開催される
 「災害と鍼灸」をテーマにした「災害と鍼灸」シンポジウム(社団法人全日本鍼灸学会共催社会鍼灸学研究会)が8月20日、東京都江東区の東京有明医療大学 HANADA HALLで開催された。6題の発表や指定発言などが行われた。

「産婦人科疾患」と鍼灸治療

国立大学法人筑波技術大学保健科学部 教授/鍼灸師 形井秀一

(1)はじめに

東洋医学(漢方、鍼灸、あん摩など)が中国から日本に伝わったのは6 世紀。日本最古の医書である『医心方』(984 年・丹波康頼 編纂)にも産科領域の詳しい記述がある通り、日本では古くから産婦人科領域の東洋医学が存在していました。

戦後においては、婦人科領域(月経不順や月経困難症、不妊、更年期障害など)と産科領域(つわり、逆子、妊娠腰痛、むくみ、陣痛促進など)の各症状に対しても鍼灸治療が行われてきましたが、鍼灸治療を受ける患者の6080%が、肩こり、五十肩、腰痛、膝痛などの運動器系疾患であり、産婦人科領域の疾患に対する鍼灸治療効果が忘れられつつあるようにも感じます。

しかしながら近年では、産婦人科領域における鍼灸治療の基礎的な研究も増えています産婦人科領域の疾患に鍼灸が有効である理由として、鍼灸刺激が女性ホルモンの分泌に影響を与えたり、自律神経を介した効果を発現していることが少しずつ明らかにされつつありますが、明確な結論はこれからの研究に委ねられます。

今回は、産婦人科領域の東洋医学的な考え方と鍼灸治療の研究成果から、産婦人科疾患への鍼灸治療についてご紹介します。

(2)7 歳ごとに身体が変化!?東洋医学からみた女性の身体

中国最古の医書とされる『黄帝内経素問』上古天真論篇第一に、人間の肉体の変化についての記述があり、女性は7 歳ごとに身体が変化すると考えられています。

7 歳・・腎気1 が盛んになり、歯が生え替わり、髪が長くなる。

14 歳・・天癸2 が生成されると、任脈3 が通じて太衝脈4 が盛んになり、月経が始まる。

子どもをつくる体になる。

21 歳・・腎気が安定して全身に行き渡り、歯が生えそろい、身体の成長は頂点に達する。

28 歳・・筋骨は充実し、毛髪は最も豊かで長く、身体も成熟した時期を迎える。

35 歳・・陽明経脈5 の機能がやや衰弱し、顔のやつれ、脱毛などが始まる。

42 歳・・三陽経脈6 の機能が衰え始め、特に身体上部のやつれ、白髪が出はじめる。

49 歳・・腎気が衰えて天癸がつき、閉経。子どもをつくることができなくなる。

このように、東洋医学においては人間の成長・発育を腎気の盛衰の過程と捉えており、女性に関しては、月経や閉経などの産婦人科の諸現象は、腎の機能の変化の結果とされています。また腎気の力が十分でない「腎虚(じんきょ)」の状態が、様々な疾患の発症に関わるとしています。

1 じんき:人間が生まれながらに持っている成長する力や生殖能力、生命力のこと。

2 てんき:性腺刺激ホルモン、性ホルモンのようなもの。

3 にんみゃく:奇経八脈の一つ。身体の前面の中心を通っている。

4 たいしょうみゃく:腎経脈と奇経八脈の一つの衝脈の両方を指す。主に下肢内側から体幹を通る脈。

5 ようめいけいみゃく:手の人差し指から上肢外側、頚部、鼻にいたる手の大腸経脈と、顔面、前頚部、胸腹部、下肢前外側面を通り、足の第2指にいたる足の胃経脈の両方をいう。

6 さんようけいみゃく:手の三陽経脈(大腸経脈、三焦経脈、小腸経脈)と足の三陽経脈(胃経脈、胆経脈、膀胱経脈)のすべてを意味する。すべての経脈が顔面部にいっており、三陽経脈の機能の衰えは、顔面全体の衰えや身体の陽(主に背側)の部分が衰えてくることを意味する。

Topic

3

(3)症状別にみる、鍼灸治療

産婦人科における各疾患の東洋医学的考え方と、鍼灸治療の研究成果の例を取り上げ、簡単に説明しましょう。

① 不妊症

不妊は「腎虚」「肝鬱」「痰湿」「?血」が原因だと考えられています。「腎虚」は先ほど触れた「腎気」が十分でない状態、「肝鬱」はイライラやストレスがたまっている状態、「痰湿」は肥満体質で脂肪や水分が子宮をはじめ身体に滞り、任脈や衝脈の気血の巡りが低下した状態、「?血」は血の流れが滞っている状態です。

197597 年の23 年間に、不妊症に対する鍼灸治療が164 例報告され、そのうち妊娠したのは77 例(46.9%)でした。妊娠率だけで見ると非常に高い、というわけではありませんが、これまで婦人科などに通院しても効果がなかった方々ですので、鍼灸治療を試みる意義はあると考えられます。

② 冷え症

冷え症は、虚血のために手足に熱が伝わりにくくなった状態が原因だと考えられています。

また、「寒湿」(寒気や湿気)など、気候や生活環境などの外部要因が影響することがあり、これらは身体の下部から身体の中に進入するため、冷え症の人は下肢を冷やさないように心がけることが大事です。

現代では冷え症は、自律神経機能の失調や心因がその病態の本体と考えられています。近

年の研究には、足底中央と下腿後側中央の温度を57 例で比較した、松本勅(明治国際医療大学教授)らによるサーモグラフィ検査の報告があります。全体の27 例の冷え症者中、23 (85.2%)の足低温は1℃以上低温でしたが、鍼治療を行ったところ10 (43.5%)で改善が見られたと報告しています。

冷え症は、産婦人科領域の多くの疾患を治りづらくする要因の一つとも言われていますが、鍼灸治療により改善が見られますので、試みられるとよい症候の一つと言えるでしょう。

③ 逆子

東洋医学では逆子(骨盤位)のことを「胎位不正」といい、?血や、冷え症、ストレス、疲労、暴飲暴食などが原因と考えられています。

1950 年に石野信安(産婦人科医)が初めて報告して以降、50 年間の逆子の鍼灸治療に関する報告をまとめると、妊娠27 週から33 週までに初診で受診した場合は、7090%が正常に戻ったという結果がでています。2002 年にはイタリア人のカルディニ(産婦人科医)が「灸をした群はしない群に比べ、有意に正常に戻る率が高い」と報告しています。

逆子は帝王切開する場合が増えてきていますが、3233 週までに鍼灸治療を開始すると高い率で改善されることを知って頂きたいと思います。

④ 妊娠中の腰痛

妊婦の2 人に1 人の割合で、腰痛が見られるという報告があります。月経時や産後の腰痛と同じように、妊娠中の腰痛の原因も腎虚、寒湿、あるいは?血だと東洋医学では考えられています。一般的な腰痛に鍼灸治療が有効であることはよく知られていることですが、妊娠による腰痛にも有効であることはあまり知られていません。

4

私たちが、腰痛を訴えた妊婦55 例(平均年齢30.3±3.9 歳)に対して鍼灸治療を行ったと

ころ、「著効」「有効」「やや有効」を合わせて49 例(89.0%)とよい結果を得ることができました。

(4)おわりに

東洋医学の歴史を振り返ると、運動器系疾患以上に内科系疾患が治療対象であり、中でも産婦人科領域の多くの疾患が治療対象とされてきました。

現代では産婦人科領域での鍼灸治療は一般的にあまり知られていませんが、鍼灸治療効果

のメカニズムを検討する上での研究も進んでおり、今後が注目されます。また、あらゆる面でナチュラル志向が好まれる傾向の中で、特に女性の身体が本来持っている力を引き出す大事な分野として鍼灸治療がクローズアップされるものと思います。

≪参考≫

『ライフサイクルに応じた女性のヘルスケアレディース鍼灸』 編著:矢野忠/医歯薬出版 2006

『イラストと写真で学ぶ 逆子の鍼灸治療』編著:形井秀一/医歯薬出版 2009

『産婦人科領域の鍼灸治療』著者:形井秀一/桜雲会出版部 2010

 

家庭で簡単ツボ療法

2011年7月 國安鍼灸整骨院 講演

◇ ツボ療法って?

ツボ療法とは、手や指を使って体表にあるツボを圧迫する手技です。その効果は病気の予防や治療をはじめ、手で直接相手に触れることによるエネルギー(気)の交流から心身のリラックスやストレス解消にも及びます。


◇ 疲れ目に対するツボ療法

ヒトの情報入手において80%以上は視覚によると言われます。ITの普及により目の不調を訴える方も増えています。特に端末を長時間凝視し続けることで起こるドライアイは放っておくと角膜が傷付くなど深刻な状態にもなりかねません。また、頭痛や肩こりなどを伴うことも多いのです。1時間程度作業を続けたら休憩を設けて、ツボ療法で疲れた目をいたわりましょう。

ツボを押すときは気持ちの良い程度の力を3~5秒間持続し、3~5回繰り返し行ってください。なお、熱や血圧が高いときは行わないでください。症状が長びくときは専門医を受診してください。


◇ ツボの場所と押し方

攅竹(さんちく):眉毛の内端部。

瞳子(どうしりょう):目尻の約1㎝外側のくぼんでいるところ。

睛明(せいめい):目頭と鼻のつけ根との間のくぼんでいるところ。

→ ①~③は両手の人差し指の腹で左右同時に押します。

④ 合谷(ごうこく):手の甲側で、親指と人差し指の付け根の間。

→ 手のひら側に人差し指と中指を添え、親指の腹で手を挟むようにして押します。

 

◇ 疲れ目による肩こりなどに効くツボ

天柱(てんちゅう):後頚部の髪の生え際上で、縦に走る太い筋肉の外側のくぼみ。→ 頭の後ろに手を回し、親指の腹で押します。

  肩井(けんせい):首の付け根と肩先との中間。→ 反対側の肩の上に指を並べ、中指の腹で押します。

天柱の押し方肩井の押し方◇ 疲れ目の予防

目を酷使した日はホットパックがおすすめです。タオルをお湯に浸して固く絞ったり、

濡らしたタオルをビニール袋に入れて電子レンジで温めたりして蒸しタオルを作ります。

そのタオルをしばらく目に当てておくと、血液やリンパの流れがよくなり、疲労が回復し

て目がスッキリします。また、目だけでなく、顔全体を暖めても効果的です

「がんばれ」ほどほどに 日本うつ病学会提言

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 東日本大震災の被災者に「がんばれ」と言い過ぎないで――。日本うつ病学会の委員会(河西千秋委員長)が1日、被災者を支援する人たちや報道機関などに向けた緊急提言をまとめ、大阪市で始まった総会で発表した。

 提言は、「がんばれ」、「強く」、「絶対」といった励ましが、被災者には時につらく、「これ以上どうがんばればいいのか」と感じることもあると知ってほしい、とした。被災者にも、悲しいことや困ったことを相談するのをためらわないよう呼びかけた。

 学会によると、心の傷の多くは時間の経過とともに軽くなるが、2割くらいが悪化したり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったりする。震災から約4カ月たつこの時期、繰り返し励まされたり、過激な報道があったりすると、当時を思い出して重症化する恐れがあるという。

 

日本鍼灸に関する東京宣言2011採択

2011鍼灸学術大会in東京開催される

「新たなる医療へ心と身体をみつめる日本鍼灸の叡智」をテーマにした2011鍼灸学術大会 in 東京(社団法人全日本鍼灸学会第60回学術大会共催日本伝統鍼灸学会第39回学術大会)が619日、東京都江東区の東京有明医療大学で開催され、注目の「日本鍼灸に関する東京宣言2011―21世紀における日本及び世界のより良い医療に貢献するために」が採択された。大会では、「東京宣言」採択に向けたシンポジウムや会頭講演、特別講演などが行われた。

まず開会式の直後に行われたシンポジウム趣旨説明では、東郷俊宏氏(東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科准教授)が登壇。「鍼灸領域における国内外の標準化の現況国民への説明責任をはたすために」と題して、WHOやISOといった国際機関における鍼灸を巡る動きについて概観し、それら国際的な動きと直結する国内的な問題にも言及した。

 シンポジウム「心と身体をみつめる日本鍼灸の叡智」では、山口智氏(埼玉医科大学東洋医学センター講師)と坂本歩氏(学校法人呉竹学園理事長)の司会のもと、篠原昭二(明治国際医療大学伝統鍼灸学教室教授)、福田文彦(明治国際医療大学臨床鍼灸学教室准教授)、小川卓良(東京衛生学園専門学校臨床教育専攻科講師)、山下仁(森ノ宮医療大学大学院保健医療学研究科教授)の4氏がシンポジストを務めた。

 このシンポジウムは「東京宣言」採択に向けて企画されたもので、日本鍼灸の歴史現状分析将来と課題の3つのテーマについて展開。日本鍼灸の歴史については、篠原氏が「戦後の日本鍼灸の特質(戦後の歴史と教育、制度)」と題して、戦後の日本鍼灸の歩みを振り返った。現状分析については、福田氏が研究面から、小川氏が臨床面から、それぞれ日本鍼灸の特質を分析した。将来と課題については、山下氏が日本鍼灸の歴史と現状分析を踏まえて、研究面、臨床面、教育面の課題などについて解説した。

 シンポジウムのテーマは「「治未病」の過去・現在・そしてこれから」。石原克己(東明堂石原鍼灸院院長)の司会のもと、浦山久嗣(赤門鍼灸柔整専門学校東洋療法教育専攻科専任教員)、戸ヶ崎正男(蓬治療所所長)、鳥谷部創治(港町診療所附属鍼灸院院長)の3氏がシンポジストを務めた。


 会頭講演では、2011鍼灸学術大会in東京の会頭を務めた久光正氏(昭和大学医学部第一生理学教室主任教授)が登壇。「日本の伝統医学を世界に発信しよう」をテーマに講演した。

 特別講演のテーマは「日本鍼灸に関する東京宣言―21世紀における日本および世界のよりよい医療に貢献するために」。演者の矢野忠氏(明治国際医療大学健康・予防鍼灸学教室教授)は日本鍼灸の歴史的な展開を江戸期までと明治以降とに分けて俯瞰し、日本鍼灸の特質を探るとともに現代の日本の鍼灸を形作ってきた教育制度、研究の系譜についても併せて見つめ直し、その特性と問題点を探った。また、これらの知見を踏まえてこれから日本の鍼灸が進むべき方向と将来の形を展望するなどして、東京宣言を起草するうえで、その基盤となる視点と概要について発表を行った。

 そして大会の最後を締めくくるメインイベント「日本鍼灸に関する東京宣言採択」では、まず形井秀一氏(日本伝統鍼灸学会会長)が登壇。東京宣言の目的および対象について触れ、「本宣言は日本鍼灸の歴史的変遷を踏まえ、その独自性について現状分析するとともに、鍼灸が健康に寄与する医学、医療として、発展することを期して策定されたものである」とし、「本宣言は日本及び諸外国の政府、鍼灸の関連学術団体、関連業団体をはじめ、全ての人々に向けて発せられる」と述べた。さらに、延べ7回開催された起草委員会の活動内容についても説明し、そのあと宣言文を読み上げる後藤修司氏(社団法人全日本鍼灸学会会長)へバトンタッチ。後藤氏は6項目からなる次の宣言文を読み上げた。

(1)
鍼灸に関する最新の知見を医学界及び国民に向けて広く発信し、鍼灸への正しい理解と適正な医学的評価を得ることに努める。
(2)
鍼灸の臨床効果を立証するために相応しい研究デザインを確立し、世界の鍼灸臨床の有効性と安全性に関する研究の発展のために貢献する。
(3)
日本の伝統医学である鍼灸を医療システムにおいて適切に位置づけることに努める。
(4)
鍼灸は日本の貴重な文化的遺産の一つであることの理解を深め、さらにその普及に努める。
(5)
日本鍼灸と世界各国の鍼灸との交流を推進し、各国鍼灸に対する相互理解を深め、その特色を尊重し、世界における鍼灸の多様性の維持・継承と発展に努める。
(6)
心と身体をトータルにみつめる鍼灸医療を通して、これまで以上に人々の健康保持増進、疾病予防及び治療に寄与することに努める。
 なお、「日本鍼灸に関する東京宣言2011―21世紀における日本及び世界のより良い医療に貢献するために」の詳しい内容については、全日本鍼灸学会のホームページに掲載されている。

全日本鍼灸学会のHP≫≫ http://jsam.jp/

 

 

米国の医学部教育に鍼治療などの代替医療が取り入れられていると伝える

米国U.S.News&World.Report 2011.4.12

米国U.S.ニュース・アンド・ワールド・リポートは412日付けの記事で、多くの米国医学部が鍼治療などの代替医療を教える講義を教育カルキュラムに採用していると伝えました。

 記事は、鍼治療などの代替医療などの理論や実技を教育するためのコースや講義を設けている米国医学部の事例を紹介しながら、最近こうした代替医療の教育カルキュラムを取り入れている大学医学部が多くなっていると伝えています。また、その背景として、現実として米国成人の約4割が何らかの代替医療を利用しており、医師として現場でそうしたニーズを持った患者さんとのかかわりを避けることができなくなっていることや、実際の臨床で鍼治療などの代替医療が補える現代医療の限界の直面することが多いことを挙げています。さらに代替医療を活用するという一般的な傾向はいまや医師や医学生自身も例外ではなく、彼ら自身が代替医療によって体調管理をしているケースもあり、その場合には、臨床で活用するためにますます代替医療の教育に対するニーズが高まっているという背景も紹介されています。

 

うつ病(うつ状態症候群)に対する鍼灸治療-脳報酬系の視点も含めて-

明治国際医療大学 臨床鍼灸学教室 准教授 福田文彦

 近年、心の病、特にうつ病(うつ状態症候群)は増加傾向を示している。このような状況のなか、鍼灸師がうつ病患者を適切に診察・治療するためには、「医師との連携(補完医療)」「適切な患者教育」「鍼灸治療」が必要である。

 我々は、うつ病患者の気帯、肝・心の病証ととらえて薬物療法に併用して鍼灸治療を行っている。基本治療穴を中心に症状に応じて、胸苦しさ、無気力、不眠、食欲不振などの症状に対する治療を行っている。

 脳にある脳報酬系とは快情動に関与する部位であり、やる気、学習、仕事、人間関係などにおいてポジディブな行動を引き起こすとともに、気分の改善やストレスの緩和、疼痛緩和にも関与している。その反面、社会問題であるアルコール依存症や薬物依存症にも大きく関与する脳領域でもある。

鍼灸臨床では、身体症状の軽減や鍼灸師と患者との良好な関係は脳報酬系の賦活に繋がる。それとともに鍼灸刺激が直接、脳報酬系を賦活する可能性が我々の基礎研究で明らかになりつつある。治療に関して鍼灸師は、患者の訴えをよく聴き、親切な患者教育(病気に対する正しい知識、考え方など)、時には薬物療法と併用して鍼灸治療を行えば、鍼灸はうつ病の患者にも有効な治療法になりうると考えられる。

  
                                           平成23年5月29日 たには会関東支部研修会より

がんと統合医療の現状と将来展望~米国統合医療の最新情報

201134日、昭和大学上条講堂で、「がんと統合医療の現状と将来展望~米国の最新情報」(主催:NPO免疫療法懇談会)

米国における統合医療と統合腫瘍学


統合医療の考え方を普及させることが重要

米国における統合医療と代替医療の違いについてキャサレス博士は次のように述べた。

米国でかつては代替医療が統合医療という言葉より広く使われていた。 代替医療はある種の治療に代わる療法のことだが、米国では、商業的で有害なものも多い。統合医療はある種の治療を行いながら補完的に別の療法を加え、治療中に生じる痛みや不快感などを軽減するもの。

病気を患った場合、医師による治療は絶対に必要。代替医療を盲信することで、初期の病状を見逃し悪化させることが多い。

保険の問題もあり、診察までに時間がかかり、手遅れのケースも多いが、がんは早期であれば多くは完治させることが可能。代替医療よりも統合医療の考え方を普及させることが重要、とキャサレス氏。


米国で注目されている7種類の補完療法

統合医療は、西洋医療に補完療法を統合させたもので、精神的・身体的・感情的な諸症状をコントロールし、QOL(生活の質)を改善し、病気の回復を早めることに貢献する、とキャサレス氏は定義する。

米国でとくに注目されている補完療法は、マッサージ療法、心身療法、音楽療法、鍼、フィットネス、食事療法(栄養療法)、薬草類及びサプリメント類の7種類。これらにより、痛み/吐き気/疲れ/うつと不安/不眠/便秘/神経障害/のぼせ/身体虚弱などの緩和が期待されている。

マッサージは患者だけでなく医師の人気や要望が高く、効果も48時間程度持続することが科学的に検証されるなど、今後も研究やニーズが高まることが予測される。

心身療法は瞑想や呼吸法、気功などだが、呼吸の重要性を説き、セルフメディケーションに役立てるように指導する。これにより、通常より麻酔の量が減る、手術後の回復が早まるなどの効果が期待でき、結果的に医療費のコスト削減に繋がることが期待されている、とキャサレス氏。


QOL
を高めるため、病院内で演奏による音楽療法

音楽療法は、言葉でコミュニケーションが取れなくなってしまった重篤な症状や、言語障害を持つ患者さんに非常に効果的で、QOLを高めるために病院内で演奏サービスなど行う所も増えている。

鍼はとくに近年、非常に注目されている。鍼灸師の資格だけでなく、がんなどの病気への高度な知識を持つ者のみ病院で治療を行える。鍼の効果が高いことは明らかになっているが、因果関係が不明な部分も多い。米国では多くの団体が科学的効果の研究をしているが、がんだけでなく、ドライマウスなどの症状にも効果があることがわかってきている。

 

がんの代替医療の科学的検証に関する研究 - 四国がんセンター

 

鍼灸とは?

 鍼灸(しんきゅう)治療とは、鍼(はり)を体に接触または刺入したり、艾(もぐさ)を体の上で燃焼させたりする治療法で、経穴(けいけつ)いわゆるツボを使った治療として2000年以上の歴史があります。

 経穴は、経絡上に位置していて、その数は世界保健機関(WHO)で361穴と定められています。経穴の多くは、筋肉の間、関節や骨の陥凹部、動脈の拍動部や分岐部、神経線維や血管が密集しているところなどに存在しています。日本における鍼灸治療の歴史は古く、最近の調査でも日本人の2~3割の人が一生のうち一度は鍼灸治療を受けたことがあるとされています。また、世界的にも110カ国以上の国々で鍼灸治療は実践されていて、それぞれの国で資格制度も整備されつつあります。

 鍼灸治療の目的は、がん患者さんにおける痛みや息切れなどの身体症状の軽減、心理的・精神的苦痛の軽減、生活の質(QOL)全般の改善、化学療法の副作用である吐気や嘔吐の軽減、手術後の腸閉塞の予防、乳がん治療の副作用である顔面紅潮・のぼせの治療などとなっています。

 臨床試験は世界各国で多数行われており、その結果によっては、鍼灸治療ががんの医療現場に通常医療として取り入れられる日が来るかもしれません。

 また基本的な考え方として、鍼灸治療は特定の病気や疾患に対して治療を行うのではなく、痛み、こり、むくみ、冷え、しびれなどさまざまな身体的症状を緩和したり除去したりすることを目的としています。ですからがんに関しては、がんを縮小させたり消失させたりすることは決してありません。あくまでも、現代西洋医療を補完する治療というスタンスで行うべきです。

鍼灸治療の臨床試験

 数多くの臨床試験が行われています。その結果、抗がん剤治療の副作用である嘔気や嘔吐の軽減効果や神経症状を和らげる効果があると報告されています。また、嘔気や嘔吐は手術後の患者さんにも有効であったとのことです。さらに、痛みなどの症状を改善し、がん患者さんの生活の質(QOL)の向上が認められたとの報告もあります。

 ただし、抗がん剤治療における嘔気・嘔吐の軽減効果は、早期のものには有効であったが、遅延性のものでは効果がなかったとされ、鍼灸治療に関してもさらなる臨床試験を行う必要があります。__

がん患者に対する鍼灸治療

社団法人全日本鍼灸学会副会長 杏林堂 院長 小川卓良

 

鍼灸治療の有効性

1)免疫力の向上 鍼灸治療では、心身の変調を整えて自然治癒力、免疫力を高めて病魔に対応するという方法をとります。特に、自律神経の変調を整える作用があるとともに、免疫力を向上させる働きがあることがわかっています。下図1はイムノドックという免疫力を調べる検査の結果です。この患者は、手術でがんを取りきれずに抗がん剤を毎週投与していましたが、毎日家族に灸をすえてもらっているからか、副作用も少なく元気に生活しています(症例1)。イムノドックの結果をみると、免疫力を高めるために必要なインターロイキンやインターフェロン等が豊富にあり、がんとの闘いで主役を務めるNK細胞も非常に多いことがわかります。そして同時に非常に大事なT1リンパ球数とT2リンパ球数もあり、見事なバランスがとれています。


2)QOL(生活の質)の改善
鍼灸治療を行うと、血行が改善するなど全身的に作用するので、食欲がでたり、睡眠状態や便通も良くなったり、足腰肩のこりや痛み等が改善したりというようにQOLが高まると言われています。QOLが向上すれば、免疫力向上にも繋がりますし、苦痛も減らすことができます。

 

3)副作用の軽減 病院などで鍼灸治療を行う場合にはまず西洋医学の治療が優先されますが、西洋医学の及ばない範囲の病態や抗がん剤による副作用の軽減などに対して、鍼灸治療による効果が求められています。次ページ図2は埼玉医科大学での研究成果です。抗がん剤や放射線治療でしばしば起きる浮腫(むくみ)の副作用を鍼治療で軽減できることを示したデータです。西洋医学の治療による副作用が軽減できれば、QOLも向上し元気にもなり、抗がん剤や放射線による免疫力の低下に対しても症例1のように極力影響を抑える可能性も高くなります。

鍼灸治療で、転移がんが完全に消失した症例や術後の再発防止例 次に、複数転移したがんが、鍼灸治療で完全に消失し、以後10 年以上経っても健康を保っている患者(女性、51 歳)の例をご紹介します(症例2)。この患者は乳がん摘出手術後、肺に複数のがんが転移し、放射線と抗がん剤治療を始めましたが、食欲不振、嘔気・嘔吐、体重減少等様々な副作用で体調が悪化。抗がん剤と放射線を中止して当院で鍼灸治療を行いました。すると体調が回復し、約半年後にMRI 上で転移がんが完全に消失したことを確認しました。 素問八王子クリニックの真柄俊一医師は、手術後に再発の確率が6070%あるいはそれ以上高いがんに対して、鍼治療(食事や生活改善のアドバイス含む)を行うと、再発率は10%位に下がり、再発率20%程度のがんに対しても4%程度の再発率しかなかったと報告しており、鍼灸治療にはがん再発防止効果があることを示唆しています。

 


緩和ケアとしての鍼灸治療
がんに対する鍼灸治療といえば、これまではターミナルケア(終末期医療)として行われていました。しかし私は治療現場で、「鍼灸治療を始めてから、宣告された余命より長く生きた」「ほとんど動けなかったが鍼灸院まで歩いてくることができた」「痛みなどの症状の緩和やQOL を向上することができた」とい患者を多く診てきました。このような経験から、私は緩和ケアに有効ならば治療や予防にも有効であろうと考え、がんに対する鍼灸治療の研究を始めたのです。緩和ケアに鍼灸を取り入れている医療機関は、前述の埼玉医科大学や国立がん研究センターなど増えてきましたし、世界では欧米を中心に、既に緩和ケアに鍼灸を取り入れています。家族ががん患者になると、他の家族また自律神経の変調等が起きますので、家族のケアも必要になり、そんな時、鍼灸治療が役立ちます。このように、まだ十分なエビデンスがあるとは言えませんが、がんに対して鍼灸治療がある程度有効であるということは言えるでしょう。

鍼灸世界の鍼灸トピックス

資料提供: 月刊『医道の日本』掲載「世界メディアが伝える鍼灸最新動向」(中田健吾、藤田康隆)より

膝と腰の関節炎による痛みや運動制限に対して、鍼治療が効果があるかどうか、ドイツの研究「鍼治療による関節炎の痛みと運動制限に対しての効果の科学的検証」論文が発表されました(タイムス紙)

鍼治療、運動療法、リラックス法による片頭痛の治療効果を検証した研究がスウェーデンの研究グループによって発表されました。その結果、痛み止めの薬を用いることなく、それぞれの方法を活用することで、片頭痛の症状が改善されたということです(ロイター、CNN


人気ドラマ「Sex and the City」の主演、クリスティン・デービスさんが、鍼治療を日常的に取り入れることで、多忙なスケジュールにも関わらず、体調を維持している。超多忙スケジュールのために健康に不安を覚えた彼女は、「健康維持のために鍼を取り入れたのですが、鍼はもはや私の生活の一部です」という。(タイムス紙)

プロゴルファーのミッシェル・ウイーが、持病の手首の痛みをコントロールするために、鍼治療を取り入れている ボストン・グローブ紙、ガーディアン紙、NBC スポーツ)


癌と闘うロックバンドのギタリストは、治療に鍼を取り入れて、癌と闘っている

(ブルームバーグ)


ペットを対象とした鍼治療が広まっている(ワシントン・ポスト紙、FOX ニュース)

北アイルランドでは、鍼治療、ホメオパシー、マッサージ治療など代替医療を健康保険の適用にBBC


 明治国際医療大学が、厚労省より鍼灸関連の研究費補助を受給

明治国際医療大学伝統鍼灸学教室  教授 篠原昭二
  「がん」と鍼灸治療 

 明治国際医療大学附属病院では、この度、「緩和ケアにおける鍼灸治療の有用性、適応の評価とチーム医療のためのシステム化に関する調査研究( H22-医療- 一般- 010 )」と題する研究費用を、平成22年度厚生労働科学研究費補助金として受給しました。研究費の総額は平成22年度が9,542,000 円(うち間接経費 442,000円)です。


同大学附属病院では、昭和61年の附属病院開設以来、周術期の患者をはじめ、緩和ケア患者等に対する鍼灸治療の併用効果について継続的に研究が行われてきました。さらに、がんの化学療法で用いる抗がん剤の副作用に対する鍼治療併用による緩和効果や術後患者の早期回復に向けたクリニカルパスの中に鍼治療を組み込む試みなど、種々のユニークな取り組みも行われています。

そんな中で、附属病院のみならず、近隣の緩和ケア病棟とも提携し、鍼治療の適応や効果、鍼治療導入のための教育システム等に関する研究テーマを掲げ、この度の受給となりました。

緩和ケア病棟における治療現場では、鍼灸治療への期待が大きく、種々の愁訴に対する鍼灸治療のオーダーが入ります。一方、患者の状態は通常の運動器愁訴を有する患者とは異なり、がん末期で苦痛が大きく、これに認知症や高齢等の影響が重なり、痛みの測定法であるVASvisual analogue scale)やface scaleなどの調査票がほとんど期待できない患者が多いのが現状です。そのため、鍼灸治療効果を医療における科学的根拠(EBM)として明らかにすることが難題となっています。投薬の種類と投与量の推移はもとより、看護師の経過記録(看護記録)、表情、応答性、医師の印象評価など、臨機応変の対応が必要となっています。

研究は緒に就いたばかりですが、鍼灸治療に対する患者および医療スタッフの期待に応えるべく、努力を傾注して研究を継続してまいます。


なお、今回の研究組織は、明治国際医療大学伝統鍼灸学教室・篠原昭二教授、和辻直准教授、斉藤宗則講師、関真亮助教、横西望(修士/共同研究者)、また、同附属病院の外科学教室・糸井啓純教授、神山順講師で構成されるグループで実施しています。

「疲れ癒やして」 接骨師が施術 スペース開設

東京新聞 平成2341

 東日本大震災の被災者の避難所になっている東京武道館(足立区綾瀬)に三十一日、接骨師らがマッサージなどをする施術スペースを開設した。初日は約三十人が利用、長期化する避難生活の疲れを癒やした。

 区が二十八~三十日に実施した避難者への要望聞き取り調査で、避難者の疲労が濃くなってきたことが分かり、ボランティアを申し出ていた都柔道接骨師会に依頼した。武道館の共用スペースに施術ベッド二台を置き、午前九時~午後五時、接骨師らが常駐する。

 福島県いわき市から避難してきた会社員、四家明さん(36)は、武道館での避難生活十二日に及び、肩と腰に強いこりを感じて施術スペースを訪れた。体を温めながら一時間ほどマッサージ。「避難生活はなかなかリラックスできないけど、マッサージで体がすごく楽になりました」とうれしそうだった。

 足立区で接骨院を開業している清水哲也さん(46)は「避難者の方は緊張しているのか、とてもこりが強い。少しでも生活が楽になるように利用してもらいたい」と話していた。 (小野沢健太)

 

避難所の6割に心のケア必よな人 岩手医大調査など

 東日本大震災で被災した岩手県沿岸で、不安や不眠などで早期に精神的ケアが必要な被災者がいる避難所が6割あったことが、岩手医科大などの調査で分かった。調査担当者は「自殺や深刻なトラブルにつながる前に対処が必要だ」と訴えている。

 被災地で本格的なケアを行う前の基礎調査として、同医大と県精神科医会の要請で、宮古市の三陸病院と宮古山口病院が行った。18~22日に宮古市など4市町村の73の避難所で保健師らから聞き取った。

 その結果、今後の不安(16カ所)▽イライラする(11カ所)▽不眠(9カ所)などを訴え、心のケアが必要な被災者がいる避難所を44カ所確認した。薬が切れるなどし、精神疾患のある人の症状が悪化▽家族を亡くした人が夜間に徘徊(はいかい)▽認知症の人が心配――などの避難所もあった。

 調査にあたった三陸病院の三浦正之・院長代行は「大きな避難所は多数の人が詰め込まれ、精神健康状態が悪い印象だった。スタッフの疲労が濃い、小さな子どもが多いといった場所も優先的に手を打つべきだ」と話している。(小坪遊)

 コメント:自律神経の調整で、心身共にリラックスできる鍼灸治療は、これらの心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい)またはPTSDの治療に有効です。

米国TAMEが、痛み特集で痛みに対する最も有効な代替医療として鍼灸治療を紹介する

米国TAME 2011,2,24

 米国タイムは224日の痛みに関する特集記事で、痛みについても医学的な知識、痛み治療の現状と将来などについて詳しく解説した。そのなかで、鍼灸治療が最も有効な代替医療であるとする有名外科医の見解を投稿しました。

 TIME最新号の特集「Healing the Hurt(痛みを癒す)中に掲載されたのは、コロンビア大学医学部付属ニューヨーク・プレスビテリアン病院の副理事長で同大学医学部外科教授であるメフメト・オズ博士によって書かれた解説記事です。記事では、米国テレビショーでも有名なオズ履博士が、まず、近年の米国における痛みの治療をめぐる動向などを解説しています。オズ博士は、その文章の中で、米国では現在、痛み治療を必要とする患者が急速に増えているにも関わらず痛みの専門の医師や治療法の確立が遅れており、今後、痛み治療が米国医学の中心的課題になると述べています。そうした現状のもと、オズ博士が「最も有効な痛み治療は代替医療である」と唯一紹介したものが鍼灸治療です。鍼治療は、現在、痛みの治療薬として用いられるイププロフェンなどよりもずっと以前からある東洋医学の治療法であり、医師の間ではその作用機序についての見解は一致していないものの、何らかのエンドルフィン機構が活性化することで痛みに対する有効な代替医療となっていることが広く信じられているとも紹介されています。

 

 米国内でも心筋梗塞などの後遺症のリハビリの鍼治療を活用せよとの主張を伝える

米国LA Times 2011,2,24

 米国ロサンゼルスタイムズは224日の付の記事で、心筋梗塞の後遺症である運動機能や感覚機能の制限を回復させるリハビリ法として、米国でも鍼治療を用いるべきだとする内容のコラムを掲載しました。

 このコラムでは、現在、多くの米国人が心筋梗塞などの後遺症に悩まされており、そのリハビリに中国や韓国で成果を上げている鍼治療をもっと活用しろという主張を、米国で開業する韓国人と思われる鍼治療家の主張として紹介しています。その中で、現在、米国の標準的な後遺症リハビリは選択肢が限定低的で不十分であるので、その補足的な治療として安全性と有効性が立証されている鍼治療まで活用範囲を広げてはいかがという主張が展開されています。さらに、中国や韓国では鍼治療を受けようとする患者の理由のうち、脳卒中の後遺症は2番目に多い理由であることも紹介されています。

 

漢方ドック:「未病」発見 自覚症状重視し脈や舌診察 体質、全身状態から生活指導

毎日新聞 2011318日 東京朝刊

 東洋(漢方)医学を用いて全身の健康状態を診断する人間ドックがあるという。がんなどの重い病気を早期発見する従来の人間ドックに対し、「漢方ドック」は心と体の全身的バランスの乱れに注目し、重い病に至る前に体質改善を目指すものだ。突然死やうつ病予防にも効果が期待されるという漢方ドックとは。【田村佳子】

 「血圧の薬を服用しているが、思うような効果が出ない」(50代女性)、「胃腸の具合が悪く、疲れが取れない。眠りも浅い」(同)、「低体温で朝起きられず、昼間眠い。精神的なつらさを改善したい」(20代男性)--。

 昨年9月に「東洋医学ドック」を開設した北里大東洋医学総合研究所(東京都港区)が受診理由を尋ねたところ、こうした答えが返ってきた。

 「通院しても症状が良くならないといった悩みや、西洋医学で治療対象になりづらい症状の訴えは多い。こうした分野で東洋医学は役立てる」と同研究所漢方診療部の鈴木邦彦副部長は話す。最近なぜか疲れやすい、よく頭が痛くなる、手足が冷えるが原因が分からないなどの症状がある人に向いているという。

  西洋医学を用いた従来の人間ドックでは、がんや高血圧など初期に自覚症状がない病気をデータや画像から発見できる。一方、漢方では自覚症状を重視する。便通や睡眠の質、目の疲れや体のむくみなど、何となく感じている不調は、検査データ上は「異常なし」でも見過ごさないのが特徴だ。

 ドックでは、舌の状態を見たり、腹を触診する漢方独特の「脈診」「舌診」「腹診」を実施。自覚症状の問診もある。これに血液やストレスの検査、血管年齢の測定など現代医学的検査も組み合わせて患者の体質や全身の状態を診断する。「気・血(けつ)・水(すい)」「陰陽」など、漢方から見た全身バランスが崩れると体の不調が表れると考え、問題点を指摘する。

 「漢方養生ドック」を3年前から行っている東京女子医大東洋医学研究所(同北区)の木村容子副所長は「高血圧症やうつ病などは突然なるわけではなく、病気にまでは至らない『未病』のうちから危険サインは出ている。この段階で食事や睡眠など生活改善に取り組めば、病気になってから治療するより体への負担もずっと軽い」と説く。ドックの一部を体験してみた。

 東京女子医大で「良導絡(りょうどうらく)検査」を試してもらった。手足にある左右各12カ所のツボに電極をあてて皮膚の電気抵抗を測ると、電気の通り具合から心身の状態を推定できるという。測定結果が平均値を大幅に逸脱したり、左と右の値が離れている箇所が弱点を示すが、左右ともに平均値の範囲内に収まったのは12カ所中1カ所しかなかった。

 「『心経』というツボの値が低い。精神的に疲れていませんか? 老化と関連がある『腎経』も低い」と木村医師が説明した。確かに最近疲れて頭痛や肩こりがひどい。数分の検査で見透かされたようで驚いた。

 実際のドックでは、他の検査結果や問診なども含めて多角的に診断を下す。ただし、内視鏡検査などはしないので従来のドックの代わりにはならない。投薬や鍼灸(しんきゅう)も行わない。

 漢方に二の足を踏んでいた人や興味のなかった人の受診も多い。木村医師は「何となく感じていた不調が全身的な問題として裏付けられると、その後の体調管理に前向きになる。未病のサインに気付けるようになるのも大きい」とドックの効果を感じている。

 漢方の受診者は診療もドックも女性の比率が高い。鈴木医師は「男性は多少の不調を『医者にかかるほどではない』と放置しがち。だが“未病率”に性差はなく、忙しい男性こそ受けてほしいドックだ」と話している。

 

鍼灸臨床の現場より

スポーツ傷害に対する鍼灸治療  (筋肉痛に対するコンディションニング)
明治国際医療大学 健康鍼灸医学教室 片山憲史

  

.増えてきたスポーツ傷害 

 最近のスポーツ人口の増加は目覚ましく、特に人気のある野球、テニス、サッカー、バレーボール、バスケットボールなどメジャーなスポーツにおいては、それぞれが数百万人にのぼるスポーツ人口を有しているといわれています。しかしながら、一方において誰もが、一度や二度はスポーツ傷害に悩むことも極めて日常的なものになりつつあります。このことは自己流の不適当なスポーツ活動や誤った・過剰なトレーニング方法がもたらす弊害とも考えられ、今後このようなことが原因となるスポーツ傷害がますます増加することが予測されます。

 
.鍼灸医学とスポーツ傷害 

 地域医療がスポーツと密接な関係を持ち、その予防と治療を狙う上で鍼灸師の役割も非常に重要といえます。現在、臨床の第一線に働く多くの鍼灸師が、スポーツ傷害の予防や治療、さらにはリハビリテーションに関する知識を求め、また、健康のための運動処方や、病気に対する運動療法に関心を持っています。さらに最近ではプロ野球やJリーグ、社会人の各種目のトレーナーとして鍼灸師が活躍しています。平成5年より日本鍼灸師会主催のスポーツ傷害研修を契機に、スポーツ分野における鍼灸(スポーツ鍼灸)の意識が高まり、現在は毎年行われている国体やインターハイ、長野で行われた冬季オリンピック、各地における様々なスポーツイベントに多くの鍼灸師のボランティアが積極的に参加し、鍼灸治療等を行い高い評価を得ています。鍼灸の対象となるスポーツ傷害は、外傷(いわゆるケガ)や障害(使い過ぎ症候群)、さらにコンディショニング(体調や精神不安等の調整)などがあります。今回は筋肉痛に対するコンディショニングについて紹介します。

 
.MRI(磁気共鳴画像)による遅発性筋痛の解析と鍼治療効果の検討 

 バドミントンによる前腕の運動により実験的に遅発性筋痛を起こし、対照群と鍼治療群との比較を肘の関節から6.5cm末梢での磁気共鳴画像(MRI)の変化と痛みを指標に検討しました。その結果、自覚的な遅発性筋痛の程度とMRIによる画像の変化は一致する傾向を示し、遅発性筋痛を画像化し、緩和時間として定量化できることが可能になってきました。鍼治療群は対照群に比較して、画像変化のピークは早期に出現し、筋痛などの自覚的な痛みの変化はより早期に消退しました。これらから遅発性筋痛に対し、鍼治療が有効であることが考えられました。 

  

咀嚼:脳にもいい「よくかむ」 

刺激伝わり覚醒/認知機能に影響も/食事は繊維を多く 毎日新聞 2011218日 東京朝刊

 食べ物をよくかむことは、消化促進や肥満予防につながることが知られている。最近は脳の働きとの関係の研究も進み、心身の健康へのプラスの効果など、咀嚼(そしゃく)の重要性がさらに注目されている。【大場あい】
「よくかんで食べるということは、人間の健康にとっては、いいことずくめの行為だ」。脳と咀嚼との関係について詳しい小野塚實・神奈川歯科大教授は強調する。料理や器の見た目(視覚)、味、香りなどの五感への刺激に加え、かむという行為で脳に刺激を与えられるからだという 小野塚さんらはこれまで、65歳以上の高齢者1000人以上を対象に、かむことと記憶の関係について調べてきた。64枚一組の写真を覚えてもらい、一部を差し替えたもう一組の写真を見て「同じものを見たかどうか」を答えてもらうテストで、約2割の人はガムを2分間かんだ後に記憶してもらったときのほうが、かまずに記憶したときより正答率が15%以上アップした。

 東北大などが仙台市内の70歳以上の高齢者約1200人を対象に実施した調査では、健康な人は平均14・9本の歯が残っていたのに対し、認知症の疑いのある人は9・4本だった。脳をMRI(磁気共鳴画像化装置)で調べると、歯が少ない人ほど、記憶に関係する海馬付近の容積が減少していた。小野塚さんは「歯を使ってかむという行為自体に、認知機能にプラスの効果があるのではないか」と見る。

  泰羅雅登・東京医科歯科大教授(神経生理学)によると、よくかむからといって、アルツハイマー病や脳血管疾患など認知症の原因を予防できるという根拠はないものの、脳に刺激を与え続ける一つの方法にはなりうるという。

 脳からあごを動かす筋肉に信号を伝える「三叉(さんさ)神経」は、歯ごたえなど歯や口の粘膜の感覚を脳に伝えるルートでもある。三叉神経は、覚醒(頭がさえた状態)をコントロールする「脳幹」と呼ばれる部分につながっているため、何かをかんで脳幹に刺激が伝わると脳の覚醒につながるという。泰羅さんは「ガムをかむと頭がすっきりするといわれるのは、三叉神経を介したこうした働きも関係している」という。

 だが、かんで食べるという行為は非常に複雑で、脳との関係についてはまだ分からないことも多い。例えば、あごと舌では、それぞれ動かしたときに働いている脳の領域が少し異なるという。泰羅さんは「咀嚼は、大脳の内側の大脳辺縁系がつかさどる本能的なシステム(生きるために食べること)と、大脳新皮質がコントロールする人間の意思や理性に関係するシステム(楽しんで食べること)の両方が、うまくバランスをとっていると考えられ、非常に興味深いメカニズムだ」と話す。

  「よくかむこと」の目安として、厚生労働省などは「一口30回」を例に挙げている。だが、「数えるのが面倒くさい」という人も少なくない。猪子(いのこ)芳美・日本歯科大新潟生命歯学部講師は「食物繊維を多く含む食品をメニューに加えると、意識しなくても30回の咀嚼と同程度、食べ物をかむことができる」と提案する。

 猪子さんらは、健康な成人男女12人にピーナツ(2粒)と生のニンジンの角切り、それぞれ約2グラムずつを食べてもらい、咀嚼回数や咀嚼に関係する筋肉の動きなどを調べた。咀嚼回数を指定しなかったとき、のみ込むまでの咀嚼回数は、ピーナツが平均24・5回、ニンジンは27・1回だった。ちょうど30回咀嚼した場合と比べると、ピーナツの場合だけ咀嚼時間が短く、筋肉の活動量も少なかった。

 猪子さんは「どちらも歯ごたえのある食品だが、ピーナツはすぐに砕けて、のみ込めてしまう。一方、食物繊維の多いものは、かんでもなかなか小さくならないので、時間をかけてかむことになる。咀嚼回数を増やすことに一生懸命になるのではなく、繊維を多く含むものをメニューに取り入れて、食事を楽しむ中でしっかり食べ物をかんでほしい」と話す。

 

東洋医学がいう未病とはなんでしょうか?

未病を良くすれば大病を防ぐことができる。

独自の研究を進める<Chinesemedicaltreatment> 中国の医療について・・・
 極論すれば西洋医学は見えるものを研究する学問といえるでしょう。もし病巣が見えないのなら、見えるようにして研究する。顕微鏡を使い、または薬品で調べ、あるいはメスで切る。
何百年とこれを繰り返し、西洋医学は今日のような素晴らしい発展を見ました。
 東洋医学は見えないものまでも見ようとはしませんでした。見えないという事実をそのまま受け入れたのです。外から見えないけれど、病気はたしかにそこにある。西洋医学のようにメスを使わず病巣を「見る」には、時間がかかります。
中医(中国医学)の歴史は三〇〇〇年あるとも四〇〇〇年ともいわれていますが
、逆にいえば、見えないものを「見る」にはそれだけの時間が必要だったということかもしれません。
 未病は、東洋医学のなかで最も優れた考え方のひとつです。まだ病気として表れていないが、病気になるであろう状態。
見えないものと真剣に取り組んできた東洋医学だからこそ、未病に対処できるのです。
それらが東洋医学のすばらしい点だと思います。

不眠症とたたかう 原因は食生活?ストレス?

「不眠症の国ニッポン」

 先日海外メディアが伝えた日本の今の姿にこんな見出しが付けられた。
 バブル経済華やかなりし頃は元気で眠らない国だった日本も今や国民の多くが生きる不安を抱え、ある統計では半数が不眠を自覚し、3割が自覚症状無き潜在的不眠症だといわれる。

都市生活のストレスや24時間化したライフスタイルが背景にあると見られているが、不眠症に悩む人がいかに多い、たかが不眠症だが、されど不眠症。不眠症は実にやっかいな病気です。
 「人間は人生の3分の1を眠ります。見方を変えれば快眠できる人はすでに人生の3分1の幸福を手に入れているといっていい。良い睡眠ほど人を幸せにするものは他にありません。質の良い睡眠は目覚めた後の精神活動を活発にし、疲労を回復させます。また、睡眠と交換できる健康法は一つもありません」

 心に障害を持った現代人の多くには、不眠症が原因と見られるケースが多い。

 しかし、一口に不眠症といっても人によってタイプは様々だという。
 「精神的ストレスや疲労、健康の不調が重なって何かの拍子に最後のバランスが崩れると不眠症のスイッチが押される。そのスイッチは人によって違い、自然に戻る人もいるし、ストレスが消えた後もなかなかスイッチが戻らない人もいる。年代は、スイッチが戻りにくい人が急速に増えているとのこと。」
 不眠症になると生活に支障が出てくる。何より一番辛いのは「眠れない」という状態そのものです。

これらの不眠の治療には東洋医学の鍼灸治療が有効です。これらの症状でお悩みの方は鍼灸治療をお勧めします。

 

  鍼灸臨床の現場より   

鍼灸治療でリラクゼーションを  …明治国際医療大学 健康鍼灸医学教室 矢野 忠

 .ストレスと病気                                        

 ストレスには暑い、寒いなどの物理的なストレスと悩みや心配、恐怖などの精神心理的なストレスがあります。これらのストレスは生体機能の変調を引き起こし、いわゆるストレス病の原因となります。 東洋医学では、病気の病因として精神的なストレスを重視します。精神的なストレス、それは東洋医学では七情(怒・喜・憂・思・悲・恐・驚)の乱れと称し、生命力(自然治癒力)を衰弱させる主要原因と捉えます。それだけに東洋医学では、ストレスを緩和する治療法を発展させてきました。その治療法の一つが鍼灸治療です。

 .鍼灸治療によるアメニティー医学 

 鍼灸治療を受けた患者の多くは、症状の軽減とともに、とても良い気分を体感しています。例えば、治療を終えた患者の多くは、身体が軽くなった、和らいだ、ポカポカと気持ちいいなどと言います。ここに鍼灸治療の特徴があると考えていまいす。すなわち鍼灸治療は、爽快感、心地よさ、軽やかといった体感(健康感)が実感できる治療として多くの人々に親しまれてきたものと言えましょう。

 .脳波でみる鍼灸治療の心地よさ 

 心地よさを測定する方法として脳波分析が行われます。脳波は不規則な波形として記録されますが、それをコンピュータで解析して図形(脳波トポグラム)として表示することができます。 この手法を用いて鍼刺激前後の脳波を記録してみました。右図の脳波トポグラムは手の合谷穴に鍼をしたときの変化です。その結果、α波のパワーの著しい増大が観察されました。α波はリラックス脳波ともいわれ、心身がリラックスしたときに現れます。鍼刺激によるα波の増大は、まさに患者の言う心地よさの一端を示す所見と考えられます。 鍼灸治療に対して、鍼は痛い”“お灸は熱いといった先入観があります。鍼灸治療は、本当は心地の良い治療でストレスの緩和に適した治療です。       

経験豊富なスタッフが対応します。ご相談お待ちしています。   

  鍼灸臨床の現場より 

腰部脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療  ・・・明治国際医療大学 健康鍼灸医学教室 井上 基浩
1.脊柱管とは?

 脊柱とは、椎骨と言われる骨が連結し柱状になったもので、一般的には「背骨(せぼね)」と言われています。脊柱のほぼ中心には椎骨が連結することにより出来た管状の腔隙があり、それを脊柱管と言います。脊柱管の中には脊髄や神経根(脊髄から出る手・足等を支配する神経の根元)があり、脊柱は身体の支柱としての機能を持つと同時に、手・足等を支配する神経を保護する重要な機能を担っています。

 

2.脊柱管狭窄症とは?

 脊柱管狭窄症とは脊柱管が何らかの原因(多くは加齢的変化)で狭くなり、中にある神経が障害を受け、頚部、腰部、あるいは手足の症状が出現する疾患です。腰部脊柱管狭窄症とは、腰部で脊柱管が狭くなり発症したもので、腰痛、足の痛み・しびれとともに、特徴的な症状として間欠跛行(歩行や立位姿勢により足の痛み・しびれや脱力が出現し、しゃがんで休むとまた歩行等が可能となる症状)が出現します。

 

3.腰部脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療

 この疾患による症状発現の原因は、脊柱管が狭くなり、足を支配する神経の血流が低下するためと考えられており、鍼灸治療の最大の目的は神経血流を増加させることです。神経血流を増加させる鍼灸治療として、1.「夾脊穴刺鍼(脊柱の周囲への刺鍼)」、2.「陰部神経鍼通電療法(臀部にて陰部神経付近まで刺鍼し電気的に刺激を与える)」、3.「神経根鍼通電療法(障害を受けた神経の根元付近まで刺鍼し電気的に刺激を与える)があり、臨床的な効果を認めています。症状の程度や性質によりこれらの治療法を使い分けます。各治療による神経血流の変化(動物実験による)は、神経血流が増加する理由はそれぞれで異なります。

 
  

経験豊富なスタッフが対応します。ご相談お待ちしています。   

鍼灸臨床の現場より  

アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療・・・  明治国際医療大学 老年鍼灸医学教室 江川雅人
  1.増えてきたアトピー性皮膚炎 

ハ アトピー性皮膚炎は痒みを伴う湿疹が特徴的で、ほとんどの患者さんはアトピー体質です。アレルギーの元(ほこり、ダニ、牛乳など)に触れたり、食べたりすると痒い湿疹ができます。 以前は子供に多く、成長と共に改善しましたが、最近では成人後も頑固な症状に悩む患者さんが増えてきました。また、マンションなどの密閉空間に増えたダニやほこりやストレス社会のせいかアトピーは増える傾向にあります。ジクジクとした湿疹が全身にできて痒くて夜も眠れずに、薬を処方されていても止まらない症状を『鍼灸で何とか』と来院される患者さんも増えてきました。

2.鍼灸医学とアトピー性皮膚炎 

ハ 鍼灸医学には「アトピー」という考え方はありませんが、赤い湿疹や痒みを体質の変化や臓器(五臓六腑)の失調と環境からの影響として捉えます。 また、長年アトピーに悩んでこられた患者さんには肩こり、便秘、顔のほてりと足の冷えなど様々な随伴症状が見られます。これら随伴症状の多くは鍼灸治療の適応症です。こうした症状を同時に治すことがアトピー性皮膚炎の治療には欠かせません。

3.鍼灸治療の効果 

 Yさんは28歳の女性。ステロイドを使っても治らないアトピーに悩まされ続けてきました。あまりの症状に心療内科に通った事もありました。鍼灸治療は週に2回から始めましたが、治療開始から痒みはだんだんと軽減し、薬や保湿剤も次第に減らすことができるようになりました。血液検査ではアレルギー体質を示す数値(IgE値、好酸球数)も下がってきました。現在も月に1回ずつの治療を続けています。 私達の経験した患者さんの多くは鍼灸治療によって痒みの軽減が得られています。さらに多くの患者さんでは血液検査上でも体質の改善が示されています。

 

 医療ナビ:しんきゅう 腰痛や神経痛など医師の同意が必要 

毎日新聞 2011年1月16日 東京朝刊

◇6疾患には保険が適用

 ◇少ない有効性示すデータ 海外の比較試験で効果確認も

 しんきゅうはどんな疾患に効くのか。医師の同意書を必要とするものの、神経痛や腰痛などで健康保険の適用が認められている。有効性を示す信頼度の高いデータが少ない課題もある。

 日本鍼灸(しんきゅう)師会(東京)によると、保険が利くのは(1)腰痛(2)神経痛(3)五十肩(4)リウマチ(5)頸椎(けいつい)ねんざ後遺症(むち打ち症)(6)頸腕症候群(首から肩にかけた痛みやしびれ)の6疾患。 保険適用を受けたい場合、患者は治療施設で受け取った所定の同意書の用紙を医師に持っていき、必要事項を記入してもらい、治療施設に渡す手続きが必要だ。医師による同意の確認は3カ月ごとに必要になる。

 日本鍼灸師会保険局長を務める大口鍼灸治療院(埼玉県所沢市)の大口俊徳院長によると、保険適用は約40年前に始まり、7年前までに期間・回数の制限も撤廃された。健康保険組合によっては、いったん患者が治療費の全額を立て替え、本人が支給申請することを条件としているところがあるので確認が必要だ。大口院長は「保険制度をうまく活用していない治療院が少なくないので、もっと患者に知らせてほしい」と話す。

 しんきゅうは国家資格をもつはり師、きゅう師が治療にあたるが、課題もある。皮膚や神経への刺激で血液循環がよくなるなどと考えられているが、効くメカニズムはよく分かっておらず、有効性を示すデータも少ない。

 現代医学では治療の有効性を証明する方法として、無作為(ランダム化)比較試験が最も信頼度が高い。薬の場合、大規模な集団を本物の薬と偽薬(プラセボ)の群に分けて、投与後の効果を比較する。

 しんきゅうの場合は、どの治療でも皮膚に触れるため、偽のはりを打つのが難しく、はりの深さが浅い術と比較される場合が多い。

 しんきゅうの科学的なデータを集めた「エビデンスに基づく腰痛症の鍼灸医学」(医歯薬出版)を刊行した全日本鍼灸学会によると、はり治療の盛んなドイツでは約10年前から、腰痛患者などを対象に大規模な四つの比較試験が行われた。たとえば、ハイデルベルク大などが参加して行われた約1800人の腰痛患者を3群に分けて比較した試験では、深いはりと浅いはり(プラセボ)に差はなかったものの、電気刺激やマッサージなどの標準治療に比べると、どちらのはりも有効という結果が得られた。

 しんきゅうなどの代替医療問題に詳しい大野智・早稲田大先端科学・健康医療融合研究機構客員准教授によると、米国の国際統合腫瘍学会は09年の治療ガイドラインで、がんの痛みや抗がん剤服用後の吐き気防止に関する比較試験ではりの効果があったとして推奨しているという。

世界的には比較試験のデータが増えつつあるが、日本では信頼度の高いデータは少ないのが現状だ。 最近は、長さ0・6ミリの短いはりを丸いシールに張り付けた円皮鍼(えんぴしん)というはりが開発され、はりのない偽シールと比べて有効性を比較する方法も誕生した。

 人の腕に円皮鍼を打って、腕の曲げ伸ばし回数がどうなるかを試験した呉竹学園東洋医学臨床研究所(東京都新宿区)の古屋英治所長は「円皮鍼は偽シールに比べ、曲げ伸ばし回数が増えた」として、筋肉疲労への効果をさらに調べている。

 大野准教授はしんきゅう治療について、「健康保険が適用される漢方や現代医学の治療にも、無作為比較試験を経ていないものは多い。とはいえ、しんきゅうは比較試験をもっと増やして信頼度を高めていく努力が必要だ」と指摘する。【小島正美】

 

花粉症:増える、子どもの花粉症 5~9歳の14%に

毎日新聞 2011121日 東京朝刊
 

◇目鼻こするしぐさ注意、家族で防護を
 
 スギ花粉症の患者が低年齢化している。大人と同じく子どもの患者も増えており、入学前の発症も珍しくなくなった。間もなくスギ花粉飛散の本格シーズンを迎えるが、子どもは自分で症状を訴えるとは限らず、大人が気づいて対策をとることが大切だ。【下桐実雅子】国民の2~3割がスギ花粉症と推定されている。馬場広太郎・独協医大名誉教授らによる08年の全国調査では有病率が約27%、10~50代では30%を超えた。5~9歳でも約14%で、98年の同様の調査の1・8倍に増えている。 そもそもスギ花粉症は何歳から発症する可能性があるのか。 かつては大人中心の病気と考えられてきたが、90年代に入って低年齢化が指摘されるようになった。国立病院機構三重病院耳鼻咽喉(いんこう)科の増田佐和子医長は「最近は2~3歳で発症している子も少なくない」と話す。

 子どものスギ花粉症を数多く診ている同病院で、最年少の患者は2歳。わずか3シーズン目の花粉との接触で発症したことになる。子どもの症状は多彩だ。鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみのほか、せきや鼻づまりによるいびき、皮膚の赤みやかゆみも多い。増田医長によると、鼻をこすることなどによる鼻血も幼児では目立ち、花粉症と診断された2歳児の例では、鼻血が続くため受診したのがきっかけだったという。

 増田医長は「鼻すすりや口呼吸、目や鼻をこするしぐさが現れることもある。保護者が症状に気づくことが第一歩で、花粉が原因なのか診断を受けて適切な対策を取ることが大切」と指摘する。

 診断には、鼻水を採取し、アレルギー性の炎症に関与する細胞「好酸球」を調べる方法や、スギ花粉のたんぱく質と結びつき症状を引き起こすIgE抗体の血中濃度を調べる検査などがある。一般的にはスギ花粉症の症状がある人はIgE抗体の数値が高い。症状やこれらの検査結果を総合的に判断する。

 ただしIgE抗体が陽性でも発症するとは限らない。三重病院など近畿・東海地方の4病院が共同で04年度に行った小児380人の調査では、スギ花粉のIgE抗体が陽性だった子どものうち、実際に花粉症を発症しているのは半数に満たなかった。

 千葉大病院小児科の下条直樹准教授(免疫アレルギー学)は「ダニによるアレルギー性鼻炎があったり、親が花粉症だと発症しやすい。鼻や目などの過敏性があることが発症と関係していると考えられている」と説明する。

 治療や対策は基本的には大人と同じだ。抗ヒスタミン薬などの内服薬のほか、小児用の点鼻薬などで症状を緩和する。花粉エキスを注射し体を慣らしていく免疫療法(減感作療法)も、重症の場合には選択肢の一つになる。口に花粉エキスをふくむ「舌下免疫療法」は臨床研究段階だが、注射よりも負担が少なく小児の治療法としても期待される。

 今春は昨年の猛暑の影響で、花粉の飛散量が東北から近畿にかけて例年(過去10年平均)より多いと予測されている。飛散量が多い年は新たに発症したり、重症化も懸念される。花粉に接触しない対策が基本になる。

 だが、子どもの場合、学校や園での集団生活があり、外出を控えるのは難しい。マスクやメガネなどをつけるのも、大人のようにはいかない。

 下条准教授は「花粉をうまく避けると子どもたちの生活にもメリットがあるということを、本人に理解してもらうことが大切。マスクをした方がよいと分かれば、自分でつけるようになるのでは」と助言する。また、増田医長は「帰宅時に、衣服や髪を払い、洗顔やうがいをするなど、室内に花粉を持ち込まないようにするには、子どもだけでなく、家族の協力が欠かせない」と話している。

 ◇「天候」や「外出・外遊び」で悪化 つらい「睡眠障害」「いらいら」

 増田医長らは07年春に三重病院を受診した花粉症の子ども(2~12歳)40人の保護者に、症状や対策についてアンケートした。

 花粉症を悪化させる要因として、「天候」(晴れた日や風の強い日)と「外出・外遊び」を挙げる保護者が最も多く、「風邪」や「疲れ・寝不足」「たばこの煙」を挙げる人もいた。

 ◇子への対策、マスク着用約6割

 また、生活への影響については約半数が「睡眠障害」を訴え、就学児は「勉強などに集中できない」「いらいら」「疲れやすい」も多かった。

 実行している対策は「花粉症情報の収集」「処方薬」が約8割で、「マスク」は約6割が使用していたが、「眼鏡やゴーグル」は少なかった。「外出制限」は就学児の1割、幼児の2割だった。

アレルギー性鼻炎

花粉症の鍼灸治療  
  症状
 花粉症は、原因となる花粉を吸い込んだために起こる病気です。空気中を飛散している花粉が鼻から吸い込まれたり、目に付着して、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、そして目のかゆみなど典型的症状が起こります。花粉が引き起こす症状は鼻や口だけではなく、のどや気管の粘膜に付着した花粉がのどのかゆみや咳の発作を起こしたり、顔など露出している皮膚に花粉が付くと顔がほてったり、ビリビリしたり、湿疹や皮膚炎が起こります。鼻や口からのどに入った花粉を飲み込むと、胃や腸などがアレルギーを起こし、消化不良や食欲不振が起こることもあります。その他に頭が重くなったり、ボーっとしたり、倦怠感や熱感、イライラなどの多彩な全身症状が起こり、肉体的にも精神的にも大きな苦痛を伴い、仕事や勉強の効率を著しく悪化させます。
 原因
 花粉症の原因となる植物は、現在、日本では40種類以上が報告されています。これらの花粉はほとんど風媒花で、風で花粉が運ばれるため、開花期には大量の花粉が飛散し花粉症の原因になります。一方、庭に植えたりお部屋に飾ったりするような観賞用の花は、ほとんどが虫媒花で、虫が花粉を運ぶため、花粉の量は少なく、また、空中に飛びにくいので、お部屋に花を飾る程度で花粉症になることはありません。スギやヒノキは大量に植林され、風に舞った花粉は上昇気流に乗り季節風に運ばれて、数十km離れたところまで飛んでいきます。イネ科牧草(カモガヤなど)やキク科雑草(ブタクサやヨモギなど)も、代表的な花粉症の原因植物ですが、雑草花粉が飛散する範囲は半径数km程度なので、雑草花粉による花粉症は、住まいや職場の周囲の空き地や河原などに原因植物が繁茂していることがしばしばあります。
アレルギー体質について

これらの花粉は鼻から吸い込まれ、鼻の粘膜に付着すると、花粉の表面や外壁にあるアレルギー原因物質(抗原)が粘膜中に溶けだし、抗原が粘膜に侵入すると、体内にIgE抗体が作られます。このIgE抗体は抗原と反応して体に侵入した異物を排除する働きをします、つまりくしゃみによって異物をはじき出したり、鼻水で洗い流したり、鼻づまりを起こして異物が侵入してこないように体を防御するのです。ところがアレルギー体質の人は、IgE抗体の産生を抑制する遺伝子を持っていないため、花粉を吸い続けると体内のIgE抗体はどんどん増加し、これがある水準を超えると、激しいくしゃみ発作や、鼻水、鼻づまりなど花粉症の症状が出るようになります。

鍼灸現場より アレルギー性鼻炎の鍼灸治療 明治国際医療大学 
 臨床鍼灸医学Ⅲ教室 中西宏元
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